脚本:佐藤二朗 演出:深迫康之
根岸新三は大学で心理学を教えている。七瀬は根岸家で家政婦をすれば、新三の資料を見ることができ、そうしたら自分の能力のことがわかるかもしれないと期待していた。
ところが新三は書斎に入れてくれず七瀬は落胆する。
新三と妻・菊子の間には生後10ヶ月の赤ん坊がいる。一見幸せそうな夫婦だが実は新三は出世目当てで菊子と結婚、外で平然と浮気をしていた。
菊子は夫の浮気を知りながらも賢い妻を演じている。夫の浮気を確信すればするほど良妻の演技が完璧になっていくことに七瀬は驚くばかりだった。
ふたりの心の状態は水着姿で見えていた。
ある時、七瀬はそっと新三の書斎に入り、資料を繰る。すると、かつて七瀬の父親・精一郎が新三のESP能力測定の被験者だったことがわかる。
時を同じくして、七瀬の父が高い能力を示していたことを思い出した新三からESP測定を強いられそうになった七瀬は誤摩化そうと愚鈍に泣きじゃくる。
その姿を見た菊子は新三が七瀬にまで手を出したと勘違い。七瀬はこの家から逃れるために新三と浮気相手が菊子をバカにしていたとウソをつく。
ついに怒りの極限に達した菊子の姿は紅蓮の炎に包まれたかのようになり、七瀬はただただ震撼するのだった。
根岸新三(36歳)
助教授。心理学が専門。教授の座を狙って学長の娘・菊子と結婚する。 |
根岸菊子(29歳)
絵に描いたような幸せな家庭の賢い妻を演じているが、夫の浮気に内心は苛立っている。
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