脚本:前田司郎 演出:深迫康之
山崎家は、老境に入った人気脚本家の潤三郎と息子・洋司のふたり暮らし。潤三郎は映画にもなったヒット作をもつ巨匠だが、最近、執筆が思うように進まない。彼の元に脚本をとりにやってくるテレビ局の若い女性プロデューサー遠藤恵理の心の中を七瀬が読むと、彼女が潤三郎にあまり期待していないことがわかる。
山崎家の心の状態は体操服姿で見える。体操服姿の潤三郎は若さを強く欲していた。精神を若がえらせ、もう一度、創作の炎を燃やしたい……そう考えた潤三郎は、洋司には恵理のふりをして恵理には洋司のふりをしてラブレターを書き、ふたりが一夜を共にするよう仕組む。
その様を見て欲望を奮い立たせた潤三郎は、凄まじい勢いで脚本を書き出す。
老作家の芸術に身を捧げた姿に七瀬は神々しさすら感じるのだった。
山崎潤三郎(77歳)
かつて一世を風靡した人気脚本家だったが、現在は年老いて生みの苦しみを味わっている。
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山崎洋司(42歳)
潤三郎の息子。音楽業界に勤めている。 父親へ親子の感情を超えたものを抱いている? |
遠藤恵理(31歳)
テレビ局のプロデューサー。潤三郎に脚本を依頼に来る。
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大藪満寿夫(48歳)
テレビ局の編成局長。
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