脚本:前田司郎 演出:藤原知之
清水家の女主人・恒子が死んだ。葬式でひとり息子・信太郎は泣いてばかりで参列者は皆、呆れている。
七瀬が信太郎の心を読んだところ、彼は極度のマザコンで母親にはげしく依存していた。
恒子は信太郎の妻・幸江にいつもきつく当たり、信太郎にも幸江よりも恒子がいないと何もできないと思い込ませていた。
静かな葬式の席だが、実は心の中では皆様々な考えを巡らせている。清水家では心の状態はヒゲが生えて見える。
信太郎に騙されたと嘆く幸江の心の声を聞いた七瀬は、幸江も悪いのだと心の中で批判する。
しかし、他人の心を勝手に読んで勝手に批判するなんて、何様なんだ?と自分を戒め、これを機に家政婦を辞めようと決意するのだった。
やがて恒子が火葬される時、七瀬は思いがけない声をキャッチする。
恒子はまだ生きていた。だが、それを言えば、自分の能力がバレてしまう。
生きながら燃やされる恒子の声を聞きながら、七瀬は絶叫するしかなかった。
清水信太郎(36歳)
恒子の息子。母親に依存していて、葬式で取り乱すばかり。 |
清水幸江(30歳)
信太郎の妻。病気の恒子を看病していたが、叱られてばかりだった。 |
清水恒子(55歳)
信太郎の母。信太郎を溺愛するばかりに幸江に辛く当たる。 病死した。 |
清水茂蔵(50歳)
恒子の弟。七瀬を口説こうとする。 |
飯田幸弘(35歳)
信太郎の親戚。
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清水重良(30歳)
信太郎の親戚。
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